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静岡県の景気見通し―今後3か月の本県の景気―(No1)

公開日:平成24年4月12日

はじめに

  景気動向指数の作成に携わっていると、「この先景気はどうなるのか」とよく聞かれます。景気予測は、星占いが用いられるほど非常に難しく、もともと私たちの手に負えるものではありません。しかし、職員の研修を兼ね、あえてチャレンジしました。今回から、3か月ごとに、新人職員と先輩職員の対話形式で、予測していきます。気軽な読み物と捉えていただければ幸いです。(統計利用課 担当:K.I)

今後3か月の本県の景気(6月ごろまで)

  ある日の県庁で、新人カズくんと先輩スーさんが、静岡県の今後の景気について話し合っています。ちょっと聞いてみましょう。

新人カズくん :先輩、静岡県景気動向指数(1月分)のCI先行指数が6か月ぶりにプラスになっています。これって、今後景気が良くなるってことですよね。

先輩スーさん :CI先行指数は、3か月から半年程度景気に先行して動くとされているから、その可能性があるね。でも、それだけでは判断できないよ。需要動向は調べたかな?

新人カズくん :まず消費ですが、消費の元となる給与が、静岡県毎月勤労統計調査(1月分)によると回復傾向とは言えず、リーマンショック(2008年9月)前の水準には程遠い状況です。

先輩スーさん :そうか。給料が増えないのでは、家計の消費も増えそうにないね。

新人カズくん :でも、政府はエコカー減税の延長、エコカー補助金の復活といった政策を打ち出しました。自動車販売は改善していくのではないでしょうか?

先輩スーさん :自動車だけ売れてもねえ。いろいろなモノがもっと売れないとね・・・。投資はどうかな? 

 新人カズくん :民間企業は相変わらず、設備投資に慎重な姿勢です。でも、震災復興による公共投資が本格化していると思うんですが・・・。すでに東北地方は復興バブルらしいですよ。

先輩スーさん :ああ、その話は良く聞くね。しかし、公共事業自体は東北地方で行われているから、静岡県の景気回復への効果は限定的ではないかな。輸出の動向はどうかな?何といっても、本県の景気を一番大きく左右するのは輸出だからね。

新人カズくん :米国の景気が回復基調ですし、欧州の債務問題も当面沈静化しているので、輸出の増加が期待できます。それに、一時期1ドル76円まで上昇していた円も、最近は1ドル82~83円台で推移しているなど、円高に一服感が見られ、輸出環境が大幅に改善されています。 

先輩スーさん :なるほど。輸出は期待できるってことか。ところで、一般の県民(国民)は、今後の景気をどう思っているんだろう?

新人カズくん :内閣府景気ウォチャー調査(2月分)によると、東海地域の景気の先行き判断DIは前月差+1.8ポイントで、2か月連続の上昇です。先行きは明るいと感じているようです。

新人カズくん :こうして様々な角度から、この先の景気を見通すと、回復を示す指標、後退を示す指標が混在しています。となると、今後の景気はどう考えたらいいんでしょうか。

先輩スーさん :今後の状況を示す指標がプラスマイナス両方ならば、現在の景気状態が続くと考えて「今後3か月は、景気は緩やかに回復する」という感じでいんじゃないかな。

グラフふじっぴー