1要旨 産業連関表は、各種イベント等の経済波及効果の測定に活用されてきましたが、このたび、産業連関表が有する産業の原価構成に係る情報を価格分析に応用し、電気料金の値上げ等がもたらす物価上昇を推計できる価格分析ソフトを開発しました。
2概要 (1)価格分析ソフトの概要 ・値上げを設定できる商品は37種類(又は109種類)。その他に物価上昇要因として、賃金、企業利潤、減価償却費、消費税率の引上げを設定できます。 ・推計結果は、37種類(又は109種類)の産業別の物価上昇率と、収入500万円/年のモデル家庭の支出増加額として表示されます。 (2)留意点 ・モデルは、費用増加による、ある商品の値上げが、産業間の取引を通じて他の商品の価格に波及していく「コストプッシュ型」を前提にしています。 ・現実には、費用増加を価格に転嫁できなかったり、生産性向上により費用増加を吸収するなどの実態があるため、モデルから得られる解は、「シャドウプライス」(計算上の均衡価格)であり、物価上昇の上限を示しています。
3研究成果の活用 電気料金の値上げや消費税率の引上げなどが、産業や県民生活の暮らしへ与える影響を把握するための資料として、活用していただければ幸いです。 |