【用語の説明】
◎ 産業連関表
産業連関表は、主に次の3つの表から構成される。
1 取引基本表
財・サービスの取引過程のすべてを行と列からなる一覧表に取りまとめたもので、各種係
数表の元になる。この表をタテ(列)方向にみると各産業の投入(費用)構成が、また、ヨ
コ(行)方向にみると産出(販売先)構成が分かる。
※ 狭義的にはこれを産業連関表と呼ぶ場合もある。また内生部門(中間投入・中間需要)の産
業の数により○○部門表と表す(静岡県は32・93・186部門表を作成)。

2 投入係数表
投入係数とは、各産業がそれぞれの生産物を生産するために使用した原材料、燃料等の投
入額をその産業の県内生産額で除したものであり、1単位の生産をするために必要な原材料
等の産業別の投入割合を表わしている。
この投入係数を産業別に求めて一覧表にしたものが、投入係数表である。
3 逆行列係数表
各産業に対して1単位の最終需要が発生した場合、どの産業の生産が究極的にどれだけ誘
発されるかを示した表のことである。アは移輸入(県外で生産される)分を控除したもので、
イは移輸入分を控除しないものである。

[関連事項]
(1)影響力係数
ある列部門に対する最終需要1単位によって引き起こされる産業全体に対する生産波
及の大きさを表わすものであり、逆行列係数表の最終行に掲載している。
(逆行列係数の各列和)/(逆行列係数の列和の平均値)
(2)感応度係数
各列部門にそれぞれ1単位の最終需要があった時に、どの行部門が相対的に強い影響
力を受けるかを表わすものであり、逆行列係数表の最終列に掲載している。
(逆行列係数の各行和)/(逆行列係数の行和の平均値)
○県内生産額
県内に所在する産業の生産活動によって生み出された財・サービスの総額で、原材料
等の中間生産物も含まれている。なお、県民経済計算においては概ね「産出額」がこれ
に相当し、県民経済計算の「総生産(生産額)」は粗付加価値に相当するなど、概念が異
なるので注意が必要である。
「平成7年静岡県産業連関表からみた静岡県経済」における産業区分は次のとおり。
第1次産業…1農林水産業
第2次産業…2鉱業〜17建設、31事務用品
第3次産業…18電力・ガス・熱供給〜30対個人サービス *32部門
○ 中間投入
各産業部門の生産活動に必要な原材料、燃料、サービス等の購入費用をいう。なお、
生産設備の購入費用は資本形成とされ、中間投入には含まれない。
○ 粗付加価値
生産活動によって新たに付加された価値をいい、雇用者所得、営業余剰等からなる。
○ 県内需要
中間需要と県内最終需要とからなる。
○中間需要
各産業部門は、そこで生産した財・サービスを産出(販売)しているが、そのうち各産業
にその生産活動のための原材料等として産出(販売)された分の額である。
○最終需要
各産業部門が生産した財・サービスのうち、原材料等と異なり最終的に消費される財・
サービスとして産出(販売)された分に対する需要で、投資も含まれる。最終需要は、県内
最終需要と県外の需要に対する移輸出の二つに大別される。
先頭ページへ戻る